2018年3月議会に上程要請のある意見書案   2018年2月21日


 


 
 
 
 
 

生活保護費削減のストップを求める意見書(案)

 

 生存権保障と言われている憲法25条は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と示している。
しかし、政府は、生活保護費を最大5%今年10月から削減する計画をすすめている。政府の試算では、利用世帯の67%で支給額が減り、利用者の約8割を占める単身世帯では78%が減額になり、生活を直撃する計画である。
生活保護費は、近年、老齢加算の全廃、2013年から15年の生活扶助費の段階的切り下げ、2015年には住宅扶助と冬季加算の減額などが相次いで行われ、30歳代の母と小学生・中学生の子どものひとり親世帯は、年間で20万円もの大幅な保護費の切り下げとなっている。
 政府は、10月からの保護費削減の理由として、「生活保護を利用していない低所得世帯の生活水準が下がったから、それに合わせて引き下げる」としている。しかし、「低所得世帯の生活水準が下がった」というなら、生活保護費を削るのではなく、低所得世帯の生活を支援することこそ、憲法25条に基づく政治の責務である。
生活保護基準は、住民税の非課税限度額、就学援助、最低賃金、国保・介護の負担減免、公営住宅の家賃減免など他の制度の基準とも連動し、その切り下げは、国民のくらしを支える制度の全面的な縮小に直結する。
生活保護は憲法25条が明記した国民の生存権を守る「最後の砦」であり、保護費の水準は、国民生活の最低基準(ナショナル・ミニマム)を具体化したものとされている。
 よって、政府は、憲法25条に基づき、生活保護費の削減を止めるよう、強く求める。

一、 政府は、憲法25条に基づき、生活保護費の削減を行わないこと。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
                      
                    ( 日 本 共 産 党 )

 内閣総理大臣
 衆議院議長    各宛
 参議院議長

 
 
 
 
 

「森友学園」「加計学園」問題の徹底究明を求める意見書(案)

 
 
 森友・加計疑惑は、権力者による国政私物化の重大疑惑であり、国会での質疑を通じて疑惑がいよいよ深刻になっており、幕引きは絶対に許すわけにはいかない問題である。
 国有地をただ同然の価格で学校法人「森友学園」に払い下げた「森友」疑惑、首相の友人が理事長の「加計学園」の愛媛県今治市での獣医学部開設に便宜を図ったのではないかという「加計」疑惑は、いずれも安倍晋三首相や妻の昭恵氏が絡む国政の私物化疑惑として、通常国会でも解明が求められる大問題である。
 昨年の通常国会で明らかになった「森友」疑惑では、当時の財務省理財局長が資料は廃棄したと説明を拒否したが、その後、払い下げる財務省側が用地からゴミが出たことにして値引きすることを提案していた音声データの存在が発覚した。さらに最近になって大学教授の情報公開請求に、財務省が省内の検討記録が残っていたことを明らかにした。
 資料は廃棄したから詳しい値引き経過は分からないという説明そのものが、国民も国会も欺くものだったことを示す重大な事実である。
 「加計」疑惑をめぐっても、事前に今治市の関係者が首相の秘書官と接触した疑いが浮上し、獣医学部の新設提案が審議された「国家戦略特区」の関連会議には「加計学園」の関係者も同席していたことが判明した。
 「森友」疑惑も「加計」疑惑も、国民の共有財産である国有地の利用や国の権限、税金支出などが首相とその周辺によってゆがめられたという、文字通り国政私物化の疑惑である。解明が尽くされないまま幕引き、疑惑が放置されることは許されるものではない。
よって政府は、安倍昭恵氏と加計孝太郎氏、佐川前理財局長の国会招致など、ひき続き真相解明のために力をつくすことを強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

               ( 日 本 共 産 党 )

内閣総理大臣
衆議院議長     各宛
参議院議長

 
 
 
 
 

「働き方改革」関連法案の撤回を求める意見書(案)

 

 安倍晋三首相は衆参両院での施政方針演説で、「働き方改革」を今国会の焦点と位置づけ、年収1075万円以上の「高度専門職」について労働時間、休憩、割増賃金を管理せず残業代も払わない「残業代ゼロ制度」や裁量労働制の拡大、過労死基準の残業を容認する時間外労働“規制”を進めると表明した。
長時間労働や過労死は、業種を問わず社会全体にまん延しており、個々の企業の違法行為をなくすとともに、残業規制など働くルールの抜本強化が求められている。
 ところが安倍政権は、「働き方改革」を掲げながら、中身は「繁忙期は、残業時間を月100時間未満まで認める」など過労死ラインを超える残業を容認。「残業代ゼロ」を制度化し、同一労働格差賃金を合法化し、労働法適用外の「雇われない働き方」を推進し、さらに「労働生産性の向上」を労働政策の目的とする異常な「働かせ方」をめざしている。これは、財界のいいなりで戦後労働法制の基本性格を揺るがし空洞化するものである。これでは長時間労働と過労死が増えるばかりである。
 電通で過労自殺した高橋まつりさんの母、幸美さんは「政府は働く人の健康と命を守るために法律改正を」と訴えている。政治の力で長時間労働を規制し、「8時間働けば普通に暮らせる社会」を実現することこそ国民の願いにこたえる道である。
よって「働き方改革」関連法案の撤回を求めるものである。

 以上、地方自治法第99条により意見書を提出する。

    ( 日 本 共 産 党 )

内閣総理大臣
衆議院議長
参議院議長  
厚生労働大臣   各宛

 
 
 
 
 

沖縄基地での、危険な米軍機の飛行中止を求める意見書(案)

 

 沖縄でオスプレイや大型ヘリなど米軍機の事故が相次ぎ、県民の不安と怒りが広がっている。12月に相次いだ米軍ヘリの部品、窓枠落下事故が起こった後も、わずか6日後に飛行訓練を再開した。重大なのは、事故原因の究明もされないままに、米軍が飛行を再開していることである。
政府は、何よりも沖縄県民や日本国民の命や安全を守るために、米軍に対して事故を起こした全機種の飛行中止を求めるべきである。
 こうした米軍の横暴勝手の根底にあるのが、日米地位協定である。米軍に治外法権的な特権を与え、基地の外での日本の警察権行使まで拒否することは、許されないものであり、地位協定の抜本的な改定が必要である。
 普天間基地所属のオスプレイやヘリは、この1年余で名護市、久米島町、伊江村、石垣市、東村、宜野湾市、うるま市、読谷村、渡名喜村と、沖縄全土で事故を起こしている。沖縄の全米軍機の飛行中止と原因究明を強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
                       
   ( 日 本 共 産 党 )

内閣総理大臣
衆議院議長
参議院議長    各宛

 
 
 
 
 

近畿大学附属病院の統合再編成計画の計画変更を撤回させ、
300床規模の病院の設置を求める意見書(案)

 
 平成26年1月近畿大学医学部付属病院が、堺市泉が丘駅前地域に移転する報道があった。大阪狭山市からの移転は、南河内医療圏域の医療機能はもとより地域経済等に及ぼす影響と共に市民に大きな不安と衝撃を与えた。その後大阪府南河内保健医療協議会において、近畿大学から300床規模の2次救急、小児科、産婦人科など現状とほぼ同等の28診療科目を備える急性期機能の病院を残す予定であると報告された。

 しかし、昨年11月同大学は唐突に、これまでの総合再編成計画を変更し、病院を一切残さずすべてを堺市に移転することを公表した。

 この計画の変更は、南河内医療圏域における3次救急や小児、周産期の高度専門医療にも大きな影響を及ぼすだけでなく、同病院は南河内医療圏域における唯一の災害拠点病院でもあり、地域に与える影響は計りしれない。

 病院の総合再編成計画の変更は、これまで説明してきた内容を反故にするものであり、南河内医療圏域の各市町村との十分な調査を行わず、一方的に計画変更を表明する同大学の対応は到底容認できるものではない。

 もともと貧弱な南河内医療圏域の医療機能をはじめ、災害拠点や地域経済を守るためにも、大阪府は近畿大学からの計画は認めず、一昨年12月に公表された小児科、産婦人科など現状と同様の28診療科目を有する300床規模の病院規模の病院設置をさせるよう指導することを強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   ( 日 本 共 産 党 )

大阪府知事 宛